桜色タイムカプセル

「お母さーん、ハンガーに掛けておいた浴衣知らなーい?」



「あら、浴衣ならここにあるわよ」



実年齢50を余裕で超えているくせに、シワもあまりない美人なお母さんが、白い浴衣をひらひらと揺らしていた。



今日は土曜日。



待ちに待った、夏祭りの日。



私は浴衣を受け取り、全身が映る鏡の前で着替えていた。



でも、家族以外と出かけるのは久しぶりで、浴衣なんてあまり着ない私は、



「難しい……」


帯やらなんやらが絡まり、自力で着るなんてことはできない。



「全く、貸しなさい」