桜色タイムカプセル

さてと、かいくんの手紙を届けなきゃ。



大きくなった桜の木と別れて、白い自転車を器用に運転し、丘を下っていく。



流した涙も、春らしき暖かい風で、すっかり乾いてしまったようだ。



あの日以来の、田宮家。



ベージュ色の家が、余計私の涙腺を刺激してきた。



インターホンを押せばいいことなのに、そこまで伸ばす手が震えてしまう。



ポストに入れちゃう?



それじゃあダメだ。



手渡しでしなきゃ。



「あれ?さくらちゃん」



少し聞きなれた声がした。