3月9日。



かいくんとタイムカプセルを埋めた日から、2年が経った今日。



私はあの丘の上で、スコップを片手に、タイムカプセルを掘り起こしていた。



私の身長を越えるくらいに育った桜の木の幹に、背中を合わせて、今の私に宛てた手紙を開く。



──拝啓、20歳になった私。



堅い書き出しに、私はクスッと笑みをこぼしてしまった。



あの頃の私は、こんな事態になることなんて微塵も思わなかったもんなー。



これ読んだら、かいくんの手紙を届けなきゃ。


そして、また目線を手紙に戻す。