私はただ1人、桜が舞う場所にしゃがんでいた。



目に映るのは、私の初恋の相手、田宮 空海が眠っているお墓。



「ちょうど、あの日から2年が経ったね」



静かに、ゆっくりと、かいくんに語りかけた。



あの元気な返事は、一生返ってこない。




「かいくんと出会ったのは、高校3年生の始業式だったね」



目を閉じれば、私たちが過ごしたあの日の思い出が蘇る。



2年前のあの日、君と出会ったあの日。



私たちの青春を惑わす、4つの季節のお話が──。