あたし、何してるんだろ………



『恋がしたい』このたった一言でこんなにも落胆してしまうのは、そろそろ女としてこのままの生活ではいけないと焦り出しているせいなんだろう。




「沙織!いつまでゴロゴロしてるの!!あなた2週間後に初仕事でしょう?やっと働けるんだからシャキッとしなさい!」

「わかってる……」



教師になりたかった私は短大を出て教員免許は取ったんだけど、なかなか就職先が見つからなくて親に甘えてずっと働かずにダラダラ過ごしてきた。所謂ニートだ。


こんな甘えきった生活ができるのは、お父さんが私立高校の校長をしているから。

最近、若い先生が産休に入るということで一人空きができるらしい。
その空きを埋めてくれないか?と、お父さんから相談があった。




きっと就職先が見つからずいつまでもニートをしている娘をこれ以上放置できなかったんだと思う。

私の意見も聞かないまま決定事項のように話は進んでいった。