｢オレ？オレは高山 啓史｣
｢ふーん。ケイタね、覚えた｣
｢いや、オレの名前ケイシなんだけ｢ケイタね｣………わかった｣
少し強引だけど、名前を変えた。ケイタの方が覚えやすいし。
｢で？チカちゃんはなんでここにいんの？｣
｢チカちゃん、やめて。ちゃんとか恥ずかしい｣
｢あぁ……うん。わかった。チカね｣
｢ん｣
なんか、呆れたような目でこちらを見てくるケイタ。生意気。
｢あのね、ここ私の場所。取らないでよ｣
ぽかんと口を開けたまま、石のように固まってしまったケイタ。
その後、顔を青くして、私の方に指を向けながら何かを言った。
｢ぁ、ち、チカって、あの相田知佳……？｣
｢うん、そうだよ？｣
一体、それがどうしたっていうのだ。
