私は少し上がった息を整えていた。
左手首が激しく痛い。急がなければ。私はテーブルに近寄り、テーブルに左手を置くと気合と共に力を入れて強く押した。
「うっ・・・!!」
鈍い痛みが手首から肩までを這い上がった。全身から汗が出るのを感じる。ああ・・・痛い。
うわあ~・・・と言いながら床に転がっていた彼がヨロヨロと起き上がって頭を振った。そして私のすることをじっとみていた。
私は顔をしかめながらゆっくりと左手首を回す。
・・・・・大丈夫、ちゃんと入ったみたい。
「・・・何してんだ?手首、痛めたのか?」
私は呼吸を戻して答えた。
「外した関節を入れたの。もう大丈夫」
目を見開いて、彼が固まった。
「・・・関節、外したのか」
「そうすれば手が自由になる。大丈夫、ちゃんと右手は守った」
普通に話す私を呆れたように見て、いや、そうじゃなくて・・・と呟く彼に近づいた。
顎と顔の左側が腫れている。
「ごめんね、痛かったでしょう」
謝ると、彼はひらりと片手を振った。
「・・・・大丈夫だ。驚いたけど、今考えたら君が手加減してくれたのがわかったし」
そして自分の鼻を指で弾いた。
「本当は、ここを狙うんだろう?」
私はひょいと肩をすくめた。



