いきなり、とてつもない高揚感が体の奥底から湧き上がってきた。
「・・・嬉しい」
ぱあっと笑顔になった。目も口も三日月みたいにして、飛び跳ねて喜んだ。
「やったあ!嬉しい!行きたい行きたい!」
安心したように笑って、よし、と彼が頷いた。
「さっさと帰ろう。泊まるとこ、あるか判んねえけどな」
手を繋いだままで子供みたいにはしゃぎながら私の部屋に戻り、小さな鞄に必要なものをぱぱっと用意した。
そして彼が元パートナーに電話している間に、私は着替えたり、家事をしたりしていた。
「大丈夫だ」
携帯を閉じながら、彼がこっちを見て笑った。
「今確認した。ストーカー野郎は友達らしい男と店で飲んでいる。出発しようぜ」
ちょっと待って、これだけ。と洗濯物を片付けてしまう。戻ってきたときにこの山をみてうんざりするのは御免だ。
そして、わくわくしながら出発した。
遠くの海岸までの、夜のピクニックだった。
彼の車に乗って高速に入ってしまうと、いきなり開放感が沸いてくるのを感じる。大声で笑い出したい気分だ。
四六時中ではないにしろ他人に自分の行動を見張られているっていうのは、かなりのストレスだった。
やったー、これで明日戻るまで、ストーカー野郎とはおさらばだああああ!!
元気になった私は車内に流れる音楽を口ずさむ。
楽しそうな私につられて、彼もよく笑った。
久しぶりだった。やっぱり私たちは異常状態にいたんだったと理解した。
高速のサービスエリアで晩ご飯を食べて、そして笑いながら、下らない話を沢山した。



