女神は片目を瞑る~小川まり奮闘記②~



 そして白い封筒を手にした。

 片手でペットボトルを傾けて直に水を飲みながら光にかざすと、紙が一枚入ってるだけらしかった。

 ・・・ダイレクトメールの新しい送り方?少し首を捻ったが、大して躊躇もせずに開けて中の紙を取り出した。

 見た目も内容もシンプル。


 目で追ったけど、最初は文字の意味が理解出来なかった。

 2回ほど読み返して、それから紙をテーブルに置く。微かに震えた指先を、もう片方の手で包んでこすった。

 罫線も入ってない白いだけの紙に、ボールペンで書かれた細い字。


 「小川まりさんていうんだね。美人だね。気に入ったよ。これから、よろしく。」



 内容にも差出人の名前はなし。

 でも判った。一瞬で理解した。これは―――――――――


 桑谷さんを追いかけている、ストーカー野郎だ。



 勿論確信はない。

 彼との件とは全く別に、町で変態に目をつけられただけかもしれない。そして後をつけられて、アパートを知られたのかもしれない。

 だけど、きっとあのストーカー野郎だろう。

 手紙の、「これから、よろしく」に悪意を感じた。