男みたいな文章を打って、送信、と声にだして言った。
昔馴染みは良い。一瞬で、その時に戻れる。
ロッカールームのドアを開けながら大学時代を思い出していた。
あの頃は、今よりも明るかった、かも。今より酒を飲んで、ハメを外して楽しんでいた。
大学生なのに、通りかかったマンションの敷地内にはえている枇杷の木から枇杷を取って勝手に食べたりして、管理人に見つかって、楠本と走って逃げたりもした。大学の単位が取れなくて、二人で芝生でタバコを吸いながらいかに先生に懇願するかの対策を練ったりもした。
おバカで、陽気で、四六時中笑っていた。
賢い楠本に、私がアルバイトをしていてサボった講義のノートを見せてもらっては、ちゃっかりしているアイツにお昼を奢らされたりしたんだった。
思いつめた女の子から告白された上に迫られて困るアイツを助けるために仕方なく抱きついてみせて、女の子が立ち去ってからその気持ち悪さに吐きそうになって、お互いに文句を言いまくったりしたんだった。
どんどん出てくる思い出に一人で笑っていた。
着替えて百貨店を出るのにも、機嫌がよくて幸せだった。
友達に会えるかと思うと嬉しい。携帯を手に握り締めたまま、楠本からの返信を心待ちにしていた。
秋で、日暮れは早くなりつつある。すれ違う人の様子もあまり判らなくなる薄明かりの中、徒歩10分のアパートに帰った。



