「あはははははははは!!!!」

 大爆笑してしまった。花嫁と二人で身をよじって笑っていた。周りが何事かと見詰める中、涙がでるほど笑っていたら、噂の本人が怪訝な顔してやってきた。

「・・・・おい、まりっぺ。俺の奥さんに一体何吹き込んだんだ?」

 あふれ出してくる笑いをどうにかかみ殺して、私は楠本の肩をバンバンと叩く。

「あんた、覚悟しといた方がいいわよ!彼女はいつでもあんたの2歩先を行っている」

「あん?」

 眉を寄せる楠本にまだ笑ったままの彼女を引き渡した。顔を見合わせた二人は微笑んで手を取って、親族の方へ向かう。

 弘美が駆け寄ってくるのが見えた。

 早速、この話をしなくっちゃ。またも笑い出しそうになる顔を両手で挟んで私も歩き出す。




 季節は春で、私の周りにはいつも笑い声が溢れていた。

 私は恋人から夫へ昇格した男性の手を今日もしっかりと握る。

 そしてこの素晴らしい人生を今日も心から楽しむのだ。

 過去から黒い手が伸びてきたって大丈夫。また戦って必ず勝ってやる。



 いつだって目の前には―――――――――



 光りに満ち溢れた、未来がのびるだけ・・・・・。