寺山香菜が中学二年生の春。
店にスーツを着た男性が来た。
彼は、細田文具という有名文房具メーカーの社長だという。
彼の話によると、この店を細田文具の小売店にしたいということ。
わかりやすく言うと、この店を買いたいという事だ。
だが、この店の店主はそのことを断った。
何年も続けている思い出の詰まったこの店を、売ることは出来ないといった。