私は人を信じない

羽田先生に残れと言われ、今は羽田先生と二人きり。
「…で、お前、あいつ等にいじめられてんのか?」
「そうだよ。ってかさ、なんで私なんかを信じようとするの?言っとくけど私、人を信じることやめたから。アンタがいくら信じようと、私はあんたを信じないからな。」
そうだ。きっと羽田先生だっていつか私を裏切るんだ。
「お前が俺を信じなくても、俺はお前を信じる。」
「まぁ、先生が信じたいなら、勝手にして。その代わり、梨奈が社長令嬢だってこと忘れないでね。クビになる可能性あるよ。」
自分がどうなってもいい覚悟あるの?
「ああ。生徒を守るのは、教師の使命だ。その為なら、俺がクビになっても構わない。お前が人を信じられるように俺がお前を守ってやるよ。」
「別にいらないし。そんな優しさなんて。」