腕時計を見ると、合コン開始まで残り十分を切っていた。
レコード屋でお目当てのCDをゲットした俺はかなりご機嫌だった。
早く帰ってこのCDを聴きながら読みかけの小説でも読んでクツロギの午後を過ごしかったが一旦我慢して、キンヤ達が待つカラオケ屋に向かった。
アーケードの中は、俺と同じ様に下校中の生徒で溢れていた。
みんな明日から始まる夏休みが楽しみなのか目が輝いて見える。
「みんな青春してるなぁ」
オッサンじみた事を考えてると携帯の着信音が鳴る。
多分真央に急かされてキンヤからの電話だと思い、めんどくさかったがズボンのポケットから携帯を取り出した。
「もしもし継人今どこ?」
「今ビート向かってるとこ。少し遅れるかも…」
「まじっ?!じゃあついたら電話してよ。俺ら先に始めてるから。」
予想通りのキンヤからの電話だった。
はぁ~っあいつら合コンの時変に格好つけるからつかれるんだよな…
気が進まない俺の足取りは、重かった。

カラオケ屋に着いた時は、既に待ち合わせの時間を七分オーバーしていた。
とりあえずこれから俺が耐えなくちゃ行けない苦痛を前に、一階のロビーで煙草を吸うことにした。
キンヤ達は今頃、二階の部屋で自己紹介でもしてるのかな?
確か前回の自己紹介は、
「どうもモンゴル人と日本人のハーフの金本博也です!」
ってシュールな自己紹介をして周りの温度を五度ぐらい下げて冷房いらずでエコだった。
真央は、合コンに来るまでの間に敵対していたギャング数人に絡まれ、撃退して来たのはいいが…
まだ新しい血痕を白いTシャツに残したまま、走ってきたのか息をハァハァ切らして
「ハァハァ初めまして。赤池真央です。皆可愛くて嬉し過ぎて鼻血でちゃいました。エヘッ。」
とTシャツの返り血を上手くユーモアでカバーしたつもりだったのかも知れないが、女のコ達にはただの変態にしか見えなかっただろう…
そんな二人だからいつも結局女のコ全員一人でさばかないといけない。
考えただけで頭が痛くなる。
しかもS高の女は、清純系が多いからアフターフォローもめんどくさいのに…