「それでは、諸君らに任務を言い渡す。ターゲット三名は、今日の午前11時にカラオケビートに集まる。よって我々の任務は、紳士らしく15分前には、現地に集合する事。そして三人が到着した際速やかに確保する事。以上だっ!」
キンヤは、今度は軍隊の様な口調で俺達二人に指令を出した。
真央も背筋をちゃんと伸ばし
「ラジャー!」
と敬礼のポーズをとり了解している。
俺は、何かもの凄く面倒くさそうだったので、
「俺パスしとくは、二人共楽しんで。」
とあっさり合コンを断った。
するとキンヤが
「ちょい待って!俺継人連れてくからその代わりに美咲ちゃんを連れて来て…ってやばっ!」
キンヤは、どうやら長い付き合いの俺を引き合いに今日の夢?の合コンをセッティングしたようだ。
しかも俺が断るのが予想外の出来事だったようで思わず自爆してしまった。
さっきまでの自信に溢れた様子から一変してアタフタ始めた。
「ふーん。そいう事…俺読みかけの本があるし帰るわ。」
二人を残し屋上を出ようとした時だ。
「継人ちょっと待てよ!」
真央が俺を呼び止めた。
そして、俺に近づき肩を組んで来て、小さな声で囁いた。
「チカちゃんの事キンヤに話すぞ。」
!!!!!!!!!!
チカちゃんとは、俺達の学校の英語教師で皆のマドンナ的存在だ。
特にキンヤは、マジで昔惚れていて、告白した程だ。
そして、俺はキンヤが告白する1ヶ月前からチカちゃんと付き合っていた。
もちろん皆に内緒で。
キンヤからチカちゃんの事を相談された時には、既にトンネルを開通してしまった後だった。
キンヤの真剣なチカちゃんへの気持ちを聞いて、何だか申し訳なくてチカちゃんと別れた。
もちろんこの事は俺と彼女しか知らないはずだそれを何故この男が?
出任せと思い真央の目を見たが真央の目は、自信に溢れていた。
「お前、合コンの為に脅迫までするのか?」
「だまれ鬼畜!これは生きるか死ぬかの問題だ。ただの合コンじゃないっ!」
言ってる事は、もの凄くふざけているがそれに反比例して目がマジだ。
「解った。付き合うよ。」
俺は、渋々了承した。
真央は、肩を組んでいた腕をどかしてキンヤの方を振り返り。
親指を立てた。
キンヤは、満面の笑みで
「Goodjob!」
と同じポーズをとる。
正に地獄だ…誰か助けて下さい。
俺は、屋上の中心で助けを求めた。
心の叫びは誰にも届かず変なテンションの二人に確保され、今日の合コンの作戦会議が始まった。