とりあえずシャワーを浴びようと戻ろうとすると
「継人さん何かありました?」
掃除をしていた手を休めじっと俺を見た。
来たーっ!!!一番突っ込まれたくない事を一番ややこしい奴に気づかれた!
「いや。どうした急に?」
とりあえず平然を装い嘘をついた。
自分に嘘をつく事も他人を騙す事も得意な俺。
笑美花は、まだじっと俺を見ている。
「そうですか?何か今日何時もと感じ違うから何かあったかなぁ~と思ったんですけど。」
俺がこいつを苦手とする理由の一つがこれだ!
ここ数年ほぼ毎日一緒にいるからかもしれないが、俺が隠し事した時とか何故か気づかれてしまう。
笑美花の視線をモロに感じる… 俺の顔に何か書いてあるのか不安になる。
「今日久しぶりに地元帰る。」
彼女の真っ直ぐな視線に耐えられず遂に自白してしまった。
笑美花はやっぱりと言った様な表情をして、
「急にどうしたんですか?キンヤさんから聞いたけど継人さんって地元にずっと帰ってないんですよね?」
あのお喋り… 今度キンヤに会ったら、軽くお仕置きをしようと心に決めた。
笑美花にさっきの電話の内容を話した。
笑美花は、俺の話を聞き終えると目をキラキラさせながら、
「継人さんのお祖父さん何遺したんですかね?」
と答えを知らない俺に尋ねる。
「さぁ…解らないし興味あるから行くんだけどな。」
とあっさり答えると、いきなり!!!
「解った!!!多分遺産の場所が隠された宝の地図ですよ!」
笑美花は、更に目を輝かせていた。
「お前、ワ〇ピースの見すぎ。そんな、映画や漫画じゃあるまいし。」
アホみたいな思いつきを否定した。
一回で良いからこいつの頭の中を覗いてみたいと前から思うが、
多分めんどくさい(俺にとって)50パーセント、メルヘン50パーセントだと思う。