重苦しい空気の中、投票用紙が一人一人に配られる。
私の見たてでは、6:4で継人の分が少し悪い。
ただ、継人が今日に向けて、何も手を打ってない訳でもないし、常務にしてもそれは同じだ。
「投票は、公平さを期す為無記名で宜しくお願いします。」
進行役が投票用紙の記入の注意を呼びかけた瞬間、継人が立ち上がった。
「ご記入の最中申し訳ありませんが、一つ私から提案があります。」
場がざわめく。
「本部長、急にどうしたんだい、今更何か小細工をするつもりかい?」
「いえ。ただもっとシンプルにしませんか?」
「ははっ、シンプルにって投票以上に、シンプルで公平な決定の方法があるとでも言うのかい?」
「いえ、投票の方法ですよ。どうせなら、丁度席は壁側に常務、ドア側に私がいますから、私の昇進に、賛成の方はドア側に、反対の方は壁側に移動してもらう。その方が解りやすいでしょ?色々と。」
周りは、継人の提案にざわめきどよめく。
当の本人は、いつもの様に涼しい顔をしている。
それに、常務と専務の二人もどことなく余裕を感じられる。
「ははっ、私は構わないよ。」
常務は、継人の異質な提案を承諾した。
進行役が困った表情で私に助けを求めた。
「常務と本部長、二人がその方法を望むのなら、私に異論はありません。」
私は、こんな状況でも継人ならと少し期待をしていた。
会議室には、私と進行役、継人と常務を除くと役員の数は二十人。
この二十人がどの様な行動に出るのか、会長として興味もあった。
「それでは、会長の許可を頂いたので、黒川本部長の昇進に賛成の方はドア側へ、反対の方は壁側へ御移動お願い致します。」
進行役の掛け声で、全員それぞれの未来に向けて動き始めた。
賛成12人反対8人、継人の昇進が決まったかと思えた瞬間、会議室内に勝利を確信した人間の笑い声が響く。
「ははっ本部長今迄お疲れ様でした。」
継人の隣にたっていた専務は、自分の腹心二人を連れて壁側へ移動したのだ。
そう、継人は専務に裏切られたのだ。
賛成9人反対11人一気に形勢が逆転した。
「専務、今迄糞餓鬼の子守りご苦労様。君のおかげで、あの生意気な男の泣きっ面が拝めそうだよ。」
「いえ、この東條グループを創立時から支えて来た貴方の頼みですから当然の事をしたまでですよ。」
どうやら、始めから専務は、常務側のスパイとして継人に近寄っていたのだ。
私の見たてでは、6:4で継人の分が少し悪い。
ただ、継人が今日に向けて、何も手を打ってない訳でもないし、常務にしてもそれは同じだ。
「投票は、公平さを期す為無記名で宜しくお願いします。」
進行役が投票用紙の記入の注意を呼びかけた瞬間、継人が立ち上がった。
「ご記入の最中申し訳ありませんが、一つ私から提案があります。」
場がざわめく。
「本部長、急にどうしたんだい、今更何か小細工をするつもりかい?」
「いえ。ただもっとシンプルにしませんか?」
「ははっ、シンプルにって投票以上に、シンプルで公平な決定の方法があるとでも言うのかい?」
「いえ、投票の方法ですよ。どうせなら、丁度席は壁側に常務、ドア側に私がいますから、私の昇進に、賛成の方はドア側に、反対の方は壁側に移動してもらう。その方が解りやすいでしょ?色々と。」
周りは、継人の提案にざわめきどよめく。
当の本人は、いつもの様に涼しい顔をしている。
それに、常務と専務の二人もどことなく余裕を感じられる。
「ははっ、私は構わないよ。」
常務は、継人の異質な提案を承諾した。
進行役が困った表情で私に助けを求めた。
「常務と本部長、二人がその方法を望むのなら、私に異論はありません。」
私は、こんな状況でも継人ならと少し期待をしていた。
会議室には、私と進行役、継人と常務を除くと役員の数は二十人。
この二十人がどの様な行動に出るのか、会長として興味もあった。
「それでは、会長の許可を頂いたので、黒川本部長の昇進に賛成の方はドア側へ、反対の方は壁側へ御移動お願い致します。」
進行役の掛け声で、全員それぞれの未来に向けて動き始めた。
賛成12人反対8人、継人の昇進が決まったかと思えた瞬間、会議室内に勝利を確信した人間の笑い声が響く。
「ははっ本部長今迄お疲れ様でした。」
継人の隣にたっていた専務は、自分の腹心二人を連れて壁側へ移動したのだ。
そう、継人は専務に裏切られたのだ。
賛成9人反対11人一気に形勢が逆転した。
「専務、今迄糞餓鬼の子守りご苦労様。君のおかげで、あの生意気な男の泣きっ面が拝めそうだよ。」
「いえ、この東條グループを創立時から支えて来た貴方の頼みですから当然の事をしたまでですよ。」
どうやら、始めから専務は、常務側のスパイとして継人に近寄っていたのだ。
