「だから、一言継人にお礼を言っときたくてね。」
全て話し終えたエリさんは、変わらず美しく眩しかった。
そして、少しスッキリした表情をしていた。
「なる程。それにしても、貴方の元カレは、そんな貴方の事等露知らず、ドイツへ旅立っちゃったんだよね。」
「みたいね。まっいないならしょうがないから、もう帰るわ。」
エリさんは、椅子にかけていたコートを羽織り、身支度を整え始めた。
「ごめんね。変に長話して、継人に宜しく言っといて。」
「了解。ならお仕事頑張ってね。」
キンヤさんは、あっさりとエリさんをお見送りする様子だ。
私は、慌てて
「有難うございました。」
って感じでカウンターの中から、いつもの送り出しの台詞を言うと、エリさんは振り返って笑顔で私を少し見て、
「ご馳走様。頑張ってね笑美花ちゃん。」
そう言って、お店を出た。
エリさんの笑顔は、相変わらず綺麗だったけど何処か寂しそうに見えた。
「そう言えば、笑美花ちゃんいつもより静かだったよね。」
チョコレートをつまみながら、キンヤさんにツッコまれた。
「いや、普通に緊張しますよ。キンヤさんこそ、最後あっさりとしてましたね。」
「そう?聞きたい話しも聞けたし、それに目的の継人がいない中これ以上エリちゃんを引き止めても何か悪くてね。」
キンヤさんは、本当たまに大人っぽい意見を言う。
もしかしたら、私が思っている以上に大人なんだけど、普段はそれを表に出さないだけなのかも知れないけど、ちょっとずるい。
「まっ確かに。」
「でしょ?それ共OFFで里帰りしている人に、これ以上余計な詮索とかしたくないし、まっあの話し聞けただけで俺は満足したしね。」
キンヤさんは、悪戯に大人な笑顔を私に向ける。
「ですね。じゃあキンヤさんも今日は、お店閉めるんで、帰っていいですよ。」
その、笑顔が自分の幼稚さを指摘されてるみたいで少し悔しくて意地悪を言った。
「えーっ!もう一杯ぐらい良いじゃん。笑美花ちゃんのケチっ。」
私の目の前で駄々をこねるキンヤさんを見ると、本当おかしくて笑ってしまった。
それにしても、エリさんの急な来店でビックリしたけど、結果的に色んな事を知れたし、何よりも目の前で芸能人の、生の恋バナを聴けると言う贅沢な時間を味わった。