それから、二人は当時を懐かしむ様に思い出話しに綺麗な華を咲かせていた。
私は、TVの前でドラマを見ている視聴者状態だった。
「そう言えば、あの後継人と連絡とってるの?」
エリさんは、小さく首を振った。
「別れ方が別れ方だったし、私もあの時は、凄く感情的になってて。」
「そっかぁ…継人にエリちゃんの事聞いても、何も教えてくれないからさ。何で二人は、別れたの?」
流石キンヤさん、その興味心身な姿勢、敵に回すと厄介だが今日は何だか心強い。
エリさんは、当時を思い出したのか少し切ない顔だ。
これが、演技ではなくて、本物の切ない顔だから、液晶越しで見るよりも何だか私の胸も切なくなった。
「まっ、もう昔の話しだし、良いけどね。私、継人にフられたんだ。」
エリさんは、私達に当時の継人さんとの別れた経緯を話してくれた。
エリさんは、元々今のモデル事務所と別の事務所に所属していて、地方紙のモデルを細々としてたみたい。
元々子供の頃からモデルの仕事に憧れては、居たけど、スカウトされた事務所に在籍して、ダラダラと小さな仕事をこなしてたみたい。
で、ある日旅行雑誌の企画で、ある男性モデルとデートをする撮影があったんだけど、それが継人さんだったの。
「第一印象は、変な奴。」
エリさんは、当時を思い出しながら、継人さんの事を話した。
それまで、それなりに自分の容姿に自信も持ってて、モデルって仕事柄か良く男性にチヤホヤされてた、エリさんは何処か調子に乗ってたらしく、男の人を見下す傾向にあったみたいで、余り周りの男性からも良く思われてなかったみたい。
今のエリさんは、凄く柔らかくてそんなイメージないけど、キンヤさん何かは、
「確かに、エリちゃん初めて会った時は、トゲトゲしかったよね。」
って言ってたから本当だろう。
まっ、私も面接の時は、ビクビクしてたが…
そんな、二人が付き合い始めたのは、打ち上げの飲み会がきっかけだった。
エリさんは、昔は打ち上げとか苦手でいつも、なんか空気に打ち解けずにいた。
そこに、特に話した事ない継人さんが、一人打ち上げ会場のクラブの隅で佇んでるエリさんの元に現れた。
「いつもそんな感じなの?スタッフの人が今日のモデル美人だからって言ってたけど、モデルって言うかマネキンだよな。何か期待外れだった。」
ノンデリカシーなあの男は、そう言って打ち上げの輪の中に戻っていった。