「やっぱり、俺笑美花ちゃんの笑顔好きだな。見てて何か幸せな気分になるよ。」
キンヤさんが、やっとでいつものキンヤさんになった?様な気がした。
「そんな誉めても、チョコのおかわりあげませんからね。」
私は、それが嬉しくて、だって本当今まで店内、凄くドヨーンとした湿気で包まれてたけど、少し湿気も取れた。
梅雨に入るのは、まだ早い。
今は、春ですからね。
「どうせ、継人のバレンタインの余りモノでしょ?」
「何故それを!!?」
「だって、継人前に言ってたよ。『日に日に、冷蔵庫のチョコが減って行ってるから、犯人はうちの食いしん坊のバイトだろうな。』って。」
流石継人さん。初めは、ほんの出来心のつもりが…何もお咎めないから気づいてないと、調子に乗ってたけど、やっぱり知ってたんだ。
「だって、継人さん全然手をつけないし、どれも女の子なら一度は耳にした高級チョコばかりで勿体無いから。つい、私の中での毎年の隠れ恒例行事にしてました。」
「ははっばれてる。ばれてる。」
「えぇ~っ。私、毎年継人さんに、『賞味期限近いから処分しときました。』とか言ってわざわざ証拠隠滅してたのに。」
キンヤさんは、私の犯行の全てを聞いてお腹を抱えて爆笑してた、
恥ずかしかったが、それよりもキンヤさんがいつものキンヤさんに戻ってくれた事が嬉しくて、またつられて笑ってしまった。
お店の扉が開く音がしたので目を向けると、紺のトレンチコートに黒い大きい縁取りのサングラスをかけた、背の高い女性が入り口に立っていた。
「いらっしゃいませ。」
私が声をかけると、小さくお辞儀をして、店内をキョロキョロと見渡すと振り向いたキンヤさんと目が会った瞬間、
「あっ?キンヤ君!久しぶり。」
キンヤさんに駆け寄り、かけていた大きなサングラスを外した。
「おっ?もしかして、エリちゃん?久しぶり!」
キンヤさんは、立ち上がりエリさん?との久しぶりの再会を笑顔で喜んでいた。
それにしても、サングラスの下に隠れていた、サファイアの様に青く鮮やかな瞳にプルプルの魅力的な唇、美人だなぁ。
でも、この美人さん何処かで見た事ある様な?
まさか?
「エリちゃん、久しぶりだね。こないだの映画観たよ。」
「有難う。継人は、今日はサボり?」
間違いない。モデルのエリさんだ。
某雑誌アンケート、この人の顔になりたい二年連続一位のエリさんだ。