月曜日のランチタイム、私は大学のテラスで春うららかな日差しを浴びながら、悶えていた。
「笑美花どうしたの?今日、朝からずっとそんな調子で。」
「うーーん。」
昨夜の継人さんとの出来事を話したいでも話せないジレンマに駆られていた。
「また、継人さんと何かあったの?」
「えっ?」
「何かあったんだね。で話してみたら?」
百合ちゃんの数ある便利スキルの一つ、女の勘(美人限定)が発動した。
「Kissされた。」
「えっ?本当に?」
いつもクールビューティな百合ちゃんもさすがに私の爆弾発言にビックリして、目を大きく開いて口に加えていたストローを離す。
そりゃビックリしますよね…
相手が相手だから…
この、三年間そんな前振り一切なかったしね。
おかげで私は、寝不足ですよ。
朝からc1000○ケダも飲みますよ。
由美ちゃんが状況説明を求めて来たので、出来るだけ詳細に話した。
「そうなんだ。何か継人さんらしいね。」
百合ちゃんは、ニコニコスマイルだ。
「何が?」
「笑美花をこうやって悩ませるトコが。」
確かに、言われて見れば出会ってから、継人さんには色々とこの出来の悪い頭を何度悩まされた事か。
「でしょ?本当何考えてるか解らないし…」
「でも、好きなんでしょ?」
「うん。」
百合ちゃんのこの笑顔に何度救われた事か。
百合ちゃんの笑顔は、不安な私の心を照らしてくれる優しい太陽の光のようだ。
「で、今日バイトは?会って直接聞いて見たら?」
「あるよ。継人さんは、ドイツに行っちゃったけどね…」
空を見上げた。今頃多分飛行機の中でしょう。
「ドイツ?」
「そっ。ドイツ…」
「急にどうして?」
「私が知ってると思う?」
「あっごめん。でいつ帰ってくるの?」
「さぁ?」
暫く二人の間に沈黙が続いた。
そりゃそうでしょ。だってドイツだもん。そりゃ唖然としますよ。
「ふふっ本当麗人さんって何考えてるか、解らないね。」
「全く解らないよ。多分、解る人いないんじゃない?」
「そうだね。けど不思議と人に好かれるよね。」
「うん…」
私も含めて、キンヤさんも百合ちゃんも多分真央さんも美紀さんもマリーさんもその多諸々、継人さんが何考えてるから解らないと思う。
けど、皆継人さんの事を理解している。