昨晩と変わらず少なかった桜達は、私を優しく迎え入れてくれた。
奈美は、私の少し前を後ろに手を組み、歩いていた。
足取りは軽そうだ。
「ねぇ麗人さん。麗人さんって恋した事ありますか?」
立ち止まり、振り返って奈美が私をじっと見つめた。
「あぁっ。遠い昔にね。」
「えっ。以外っ!どんな人でした?」
奈美は答えに驚き、私の方に駆け寄って来た。
「以外かい?うーん随分昔の事だからね。私何かと違って、常に誰かの為に一生懸命に生きていて、眩しい人だったかな?そして笑顔が良く似合う女性だったよ。」
桜と奈美を目の前にすると、まるで三十年前のあの日に自分が引き戻されているような感覚に陥る。
そして、奈美、君に良く似ていた。
心の中で一つの台詞を噛み殺した。
「きっと素敵な人なんですね。なんか羨ましいなぁ。」
奈美は、少し俯き小さく呟いた。
「私、婚約者がいるんですよ。」
彼女は、視線を桜に移して、少し自分の事について語り始めた。
口調は少し遅く、でもその現実をしっかり受け止めているのが表情から、読み取れた。
奈美の家は、それなりに裕福な家庭で何不自由ない生活をしていた。両親は、躾に対して少し厳しい処もあるが優しかった。
そして、そんな両親と仲の良い医家の次男との婚約が奈美が15の夏に決まった。
元々親同士が仲が良く、その男性と奈美も顔見知りで合った事もあり、父親の強い勧めで彼女の婚約は両家の間で順調に進んだ。
初めは、彼女も何も疑問に思わす、相手の男性も優しい人だったのでそのまま月日が流れた。
日に日に彼女の中でこの婚約に対しての疑問が大きく育つ。
ただ、そんな気持ちは、誰にも相談出来なかった。
両親は、彼との婚約を心から望んでいたし、彼も彼の両親もそれは同じだった。
高校を卒業した奈美は、看護師を目指す為に、看護学校に通う。
彼女の卒業も控えた昨年の春、彼女は、今の大学に留学したいと両親に相談した。
両親は、卒業後直ぐに籍を入れる事と思っていた様で、初めは戸惑い奈美の考えを理解してくれなかったが、母と婚約者の彼の後押しもあり、こうして今二年間の研究生として、ワシントン大学への留学が叶ったのだ。
奈美は、私の少し前を後ろに手を組み、歩いていた。
足取りは軽そうだ。
「ねぇ麗人さん。麗人さんって恋した事ありますか?」
立ち止まり、振り返って奈美が私をじっと見つめた。
「あぁっ。遠い昔にね。」
「えっ。以外っ!どんな人でした?」
奈美は答えに驚き、私の方に駆け寄って来た。
「以外かい?うーん随分昔の事だからね。私何かと違って、常に誰かの為に一生懸命に生きていて、眩しい人だったかな?そして笑顔が良く似合う女性だったよ。」
桜と奈美を目の前にすると、まるで三十年前のあの日に自分が引き戻されているような感覚に陥る。
そして、奈美、君に良く似ていた。
心の中で一つの台詞を噛み殺した。
「きっと素敵な人なんですね。なんか羨ましいなぁ。」
奈美は、少し俯き小さく呟いた。
「私、婚約者がいるんですよ。」
彼女は、視線を桜に移して、少し自分の事について語り始めた。
口調は少し遅く、でもその現実をしっかり受け止めているのが表情から、読み取れた。
奈美の家は、それなりに裕福な家庭で何不自由ない生活をしていた。両親は、躾に対して少し厳しい処もあるが優しかった。
そして、そんな両親と仲の良い医家の次男との婚約が奈美が15の夏に決まった。
元々親同士が仲が良く、その男性と奈美も顔見知りで合った事もあり、父親の強い勧めで彼女の婚約は両家の間で順調に進んだ。
初めは、彼女も何も疑問に思わす、相手の男性も優しい人だったのでそのまま月日が流れた。
日に日に彼女の中でこの婚約に対しての疑問が大きく育つ。
ただ、そんな気持ちは、誰にも相談出来なかった。
両親は、彼との婚約を心から望んでいたし、彼も彼の両親もそれは同じだった。
高校を卒業した奈美は、看護師を目指す為に、看護学校に通う。
彼女の卒業も控えた昨年の春、彼女は、今の大学に留学したいと両親に相談した。
両親は、卒業後直ぐに籍を入れる事と思っていた様で、初めは戸惑い奈美の考えを理解してくれなかったが、母と婚約者の彼の後押しもあり、こうして今二年間の研究生として、ワシントン大学への留学が叶ったのだ。
