自分の心の中の唯一の気がかりの真尋さんが今回のこの一件の発案者であった事を知って少し安心したのか、私の心の中で千尋を咎める気持ちは、一切無くなった。
私や黒川家の体裁の事など咎めるに値しないが、真尋さんやケイトの気持ちを考えるとどうしても今回の行動を認める事は出来なかった。
「お父様、じゃなくて麗人さんはやっぱり怒らないんですね?」
千尋の話しを一通り聞いて、特に彼女を咎めない私の態度を見通した様な事を言う。
「あぁ。話しを聞いて私が君を咎める理由が見当たらない。」
「けど、今回私の行動で色々ご迷惑をおかけしたのでわ?」
「そうだね。けど、1番苦しんだのも悩んだのも千尋、君だと思うよ。そして、そうさせたのは、私だ。もし咎める必要がある人間がいるならば私だよ。そして、そんな君を救ってくれたのは、私では無く、真尋さんだ。本当にすまない。」
私は、千尋に深く頭を下げた。
「麗人さん辞めて下さい。」
千尋の声は、確かに耳に届いていたが私が頭を上げたのは、彼女が三度私に呼びかけた後だった。
ここにいないケイトと真尋さんに対しての謝罪も含め私は、長めに頭を下げた。
私が頭を上げると千尋は強く私に抱きついて来た。
そんな彼女を私は、抱きしめた。
彼女をこんな風に抱きしめたのは、まだ彼女が黒川家を出る前の幼い頃以来だ。
千尋の細い身体からは、冷えた私の身体を暖める様に、優しい温もりが服を通して私の肌へと伝わる。
「ずっとずっと逢いたかった。何をしてても、麗人さんの事が頭に浮かんで。」
「あぁ。」
「本当は、凄く不安で。一日、一日カレンダーを捲る度に、麗人さんともう会えないかも知れないと思えて不安で寂しかった。」
「あぁ」
千尋は、私の胸の中でその細い身体の中で溜め込んでいた不安な気持ちや寂しい気持ちをぶつけた。
無力な私は、ただそれを受け止めてあげることしか出来なかった。
因みに、彼女がBARで唄っていた理由は、このマンションの所有者=真尋さんの知人=BARのオーナーに千尋から頼み込み、ただで匿ってもらっているのは、申し訳ないとBARの手伝いを始めた事がきっかけだった。
そして、レコードから流れる甘い歌声に、自分の私への気持ちを乗せて唄ってた所をたまたまオーナーに聴かれて、彼の勧めでシンガーとして活動する事になったようだ。
私や黒川家の体裁の事など咎めるに値しないが、真尋さんやケイトの気持ちを考えるとどうしても今回の行動を認める事は出来なかった。
「お父様、じゃなくて麗人さんはやっぱり怒らないんですね?」
千尋の話しを一通り聞いて、特に彼女を咎めない私の態度を見通した様な事を言う。
「あぁ。話しを聞いて私が君を咎める理由が見当たらない。」
「けど、今回私の行動で色々ご迷惑をおかけしたのでわ?」
「そうだね。けど、1番苦しんだのも悩んだのも千尋、君だと思うよ。そして、そうさせたのは、私だ。もし咎める必要がある人間がいるならば私だよ。そして、そんな君を救ってくれたのは、私では無く、真尋さんだ。本当にすまない。」
私は、千尋に深く頭を下げた。
「麗人さん辞めて下さい。」
千尋の声は、確かに耳に届いていたが私が頭を上げたのは、彼女が三度私に呼びかけた後だった。
ここにいないケイトと真尋さんに対しての謝罪も含め私は、長めに頭を下げた。
私が頭を上げると千尋は強く私に抱きついて来た。
そんな彼女を私は、抱きしめた。
彼女をこんな風に抱きしめたのは、まだ彼女が黒川家を出る前の幼い頃以来だ。
千尋の細い身体からは、冷えた私の身体を暖める様に、優しい温もりが服を通して私の肌へと伝わる。
「ずっとずっと逢いたかった。何をしてても、麗人さんの事が頭に浮かんで。」
「あぁ。」
「本当は、凄く不安で。一日、一日カレンダーを捲る度に、麗人さんともう会えないかも知れないと思えて不安で寂しかった。」
「あぁ」
千尋は、私の胸の中でその細い身体の中で溜め込んでいた不安な気持ちや寂しい気持ちをぶつけた。
無力な私は、ただそれを受け止めてあげることしか出来なかった。
因みに、彼女がBARで唄っていた理由は、このマンションの所有者=真尋さんの知人=BARのオーナーに千尋から頼み込み、ただで匿ってもらっているのは、申し訳ないとBARの手伝いを始めた事がきっかけだった。
そして、レコードから流れる甘い歌声に、自分の私への気持ちを乗せて唄ってた所をたまたまオーナーに聴かれて、彼の勧めでシンガーとして活動する事になったようだ。
