自分の一つの目的が達成された安堵感とその為に自分が目的の為にとった行動に対しての罪悪感が私の心の中で入り乱れる。
ケイト、久しぶりに再開した千尋はどうだい?
素敵なレディに育ってるかい?
君の予想を超えて、美しく育った彼女を見ておどろいたかい?
ケイトの眠る石碑の前で冥福を祈る二人を後ろから見守りながら、いる筈もないケイトに語りかけた。
ただ、真尋さんの姿を見ると、本当にこうやって、千尋をこの場所に連れて来て良かったと想える。
彼女の本当の意味での哀しみを理解出来る人等いないが、哀しみをこうして分かち合う家族が側にいる現実は、尊い。
私は、千尋を車に残し、真尋さんを屋敷の入り口まで送り届けた。
「麗人さん、本当に有難う。天国にいるケイトもきっと喜んでるわ。」
「いえっ。私に出来た事等限られてました。千尋は、ケイトに似て優しい子に育ってくれたから、実現出来ました。」
「そうね。やっぱり、どことなくあの子の面影と重なるわね。来年が待ち通しいわ。」
真尋さんは、私に感謝の意を伝え、次の再開の日を楽しみに、暫しの別れを名残り惜しんだ。
車の中で、千尋は何かをモノ思いにふけっていた。
きっと、真尋さんの事を心配していたのだろう。
ホテルのエレベーターの中、
「お父様とケイトさんは、本当に中が良かったんですね。」
今まで、今日の出来事で何処か元気がなかった千尋が急に口を開いた。
「あぁ。急にどうしたんだい?」
彼女の、言葉の真意を探る。
「フフッ、いえ。なんとなく。気になさらないで。」
微笑み答える千尋の姿は、何処かいつもと様子が違ってとれたが、今日一日の出来事を思うと、それも仕方ないと思い、あまり気には止めなかった。