羽田から、彼女が通う大学のあるバージニアにあるワシントン空港の航路の間、千尋は、私の隣で静かに読みかけの小説を読んだり、現地の地図を眺めては、初めての空の長旅を満喫していた。
その隣で、幾つもの書類を世話しなくチェックしていた私の姿をたまに見ては、クスクス笑っていた。
「お父様は、お兄様達の留学の時もこうして一緒に同行なされたのですか?」
「いや、亮達の時は、私の変わりに佐土原や紗耶香にまかせたよ。」
「あらっ?どうしてですか?」
「見た通り、業務 に追われていて中々時間を作ってあげれなかったからね。」
彼女の何気無い質問に、私は嘘をついてしまった。
確かに業務が忙しいのも真実だが、紗耶香に恐れを抱き、家を離れる事が多かった私は、家族との接し方が解らなかった。
家族?いや違うか。
あれは、私が紗耶香の為に自分のワガママで勝手に寄せ集めた紗耶香のおもちゃの様なモノだ。
亮達への負い目から、満足に父として接してあげた事等ない。
私がもっと強い人間なら、何度もそう考えた。
私の嘘に対して、彼女は満足そうに微笑んでいる。
「なにがそんなに嬉しいんだい?」
「だって、その忙しいお父様が私の為にこうやって、お時間を割いて下さってると思うと、なんだか嬉しくて。」
違うんだよ千尋。
君は、亮達とは事情が違うだけなんだ。
頼むから、その微笑みがこれから君が知るべき真実を手にした時も無くならない事を望む。
「まだ、到着まで10時間以上ある。少し眠ってなさい。」
「解りました。これ以上お父様の業務の邪魔をしない様に静かにしますわ。」
彼女が私に向ける笑顔が、余りにも眩しくて、そしてそれと比例する様に私の罪の意識が増す事を避ける為、彼女を遠ざけた。
その隣で、幾つもの書類を世話しなくチェックしていた私の姿をたまに見ては、クスクス笑っていた。
「お父様は、お兄様達の留学の時もこうして一緒に同行なされたのですか?」
「いや、亮達の時は、私の変わりに佐土原や紗耶香にまかせたよ。」
「あらっ?どうしてですか?」
「見た通り、業務 に追われていて中々時間を作ってあげれなかったからね。」
彼女の何気無い質問に、私は嘘をついてしまった。
確かに業務が忙しいのも真実だが、紗耶香に恐れを抱き、家を離れる事が多かった私は、家族との接し方が解らなかった。
家族?いや違うか。
あれは、私が紗耶香の為に自分のワガママで勝手に寄せ集めた紗耶香のおもちゃの様なモノだ。
亮達への負い目から、満足に父として接してあげた事等ない。
私がもっと強い人間なら、何度もそう考えた。
私の嘘に対して、彼女は満足そうに微笑んでいる。
「なにがそんなに嬉しいんだい?」
「だって、その忙しいお父様が私の為にこうやって、お時間を割いて下さってると思うと、なんだか嬉しくて。」
違うんだよ千尋。
君は、亮達とは事情が違うだけなんだ。
頼むから、その微笑みがこれから君が知るべき真実を手にした時も無くならない事を望む。
「まだ、到着まで10時間以上ある。少し眠ってなさい。」
「解りました。これ以上お父様の業務の邪魔をしない様に静かにしますわ。」
彼女が私に向ける笑顔が、余りにも眩しくて、そしてそれと比例する様に私の罪の意識が増す事を避ける為、彼女を遠ざけた。
