やがて、目的の小さな家に辿り着く。
元の姿が判別出来ないほど崩れたコンクリートの塊に姿を変えていた。
「ケイト!!!」
精一杯彼の名前を叫んだ。
「麗人か?」
瓦礫の下に蹲る影を見つけた。ケイトだ!!!!!
私は、彼の元に駆け寄り、幾層にも重なりケイトの身体に重くのしかかるコンクリートを取り除こうと試みたその時、
「麗人なんだろ?こっちにきてくれ。」
私は、ケイトに言われるまま足元に防ぎこむ彼の元へ。
どうやら、ケイトは大量の出血が原因で視力が低下している様子だ。
「待ってろ!今すぐ助ける!」
「やっぱり、麗人かぁ。俺は良いんだ。それよりも・・」
彼は上体を数十センチ精一杯浮かした。
隙間から、千尋の姿を確認した私は、慌てて彼女をケイトの胸元から引き離す。
千尋は、今の状況など全くお構いなしにスヤスヤと小さな寝息をたてている。
「ケイト!千尋は無事だ!」
「良かった。麗人・・もう一つ。」
「なんだ?、続きは、こいつをどかしてからまた聞いてやる。」
「良いから、先に聞いてくれ。麗人、千尋を頼む。出会って間もない君にこんな、お願いするのは少し図々しいかもしれないが、千尋はきっと将来良い女になる。惚れるなよ。」
「何を言ってるんっだ!おいっ!ケイト!」
「ヤバい・・・。少し静かにしてくれないか。千尋、愛してるよ。パパもママも幸せだった。ありがとう。」
「ケイト!ケイト!」
私の必死の呼びかけも虚しく二度とケイトが私の呼びかけに応えることはなかった。
そして、友との別れを悲しむ時間などなかった。
私は、腕の中に眠る小さな命を守る為、街の端に停めておいた車を目指して走った。
私の激しい身体の揺れに反応したのか、千尋は、声をあげる。