こうして、感動的な再開を果たした二人は、お互いの活動を続けていく合間にも、時間を作っては二人の愛を育む。
デートと呼ぶような代物では無いかもしれないが、それでも、二人はそんなささやかな時間を何よりも大切にしていた。
ケイトは、現地の人が愛の誓いをするために訪れる、小さな泉にアルマを誘う。
その場所は、何か神秘的な力を感じるほど、戦争の爪痕もなく静寂に包まれていた。

「自然と出た言葉なんだ。」
「何のことだい?」
「ハハッごめん。プロポーズしたんだよ。実言うと、凄く悩んでたんだ。時代が時代だし、お互いの状況があまりにも複雑すぎる。」
「確かに、少し特殊な状況だね。」
「そうなんだ。こっちにきて、嫌という程人の命の重さも儚さも理解出来た。明日には、ヘタしたら自分が、それよりも彼女が・・そう思うと怖くなった。アルマを連れて今すぐ何処か、戦争なんてない国に逃げ出したいとその頃の俺は、考えてたよ。」

泉のほとりで、はしゃぐ彼女を後ろから強く抱きしめた。
突然のケイトの行動にアルマは少し驚いた様子だったが、ケイトの腕にそっと手を添える。
二人で何処か遠くに逃げようと、彼女に相談しよと思った瞬間、
「私は、今凄く幸せだよ。例え、明日自分が命をおとす事になっても、自分が今まで辿ってきた時間に後悔はないわ。」
彼女はまるで、ケイトの心を見透かしてる様だった。
「アルマ、君は出会ってからずっと俺にとっての光だった。それは、今も変わらない。これからは、その光を俺が守るよ。」
「えっ??」
「俺とこの場所で永遠の愛を誓ってくれないかい?教会ではないし、神父もいない。勿論、エンゲージリングもない。一歩外に出れば銃弾の雨、君が言うように、明日の命の保証もない。」
ケイトは、自分の首にかけていたネックレスを千切ると、彼女の左の薬指に二重、三重にと巻きつけた。
彼女の細い指から、不器用に巻きつけられたネックレスが垂れ下がる。
「とりあえず、今はこれしか・・」
申し訳なさそうに話すケイトに、
「・・これで充分。これがいいわ。」
涙を目に浮かべながら、アルマは微笑む。
「じゃあ?」
「ええ。宜しくね。」
こうして、二人は共に生きてくことを誓い合う。