百合ちゃんは、一人で店内に入るなり、レセプションの準備をしている継人さんを見つけ、
「すいません。笑美花の友人の千頭百合です。」と相手に敵意が伝わる様な大きな声を出した。
継人さんは、一旦手を止め 、百合ちゃんが立つドアの前まで来ていきなり、
「いい子紹介してくれてありがとう。」
とお辞儀をしたらしい。
急な行動に多少由美ちゃんは戸惑ったみたいだが、
「今日は、その笑美花のことでお話しに来ました。」
と百合ちゃん曰く相当カリカリした感じで、継人さんに、話を切り出した。
そんな百合ちゃんの態度に関係なく、
「立ち話しも何だから。」
と言われ私と同じくソファに案内された百合ちゃんは、いきなり継人さんに噛みついたらしいのだ。
「笑美花から、話を聞きました。正直私が紹介したバイトなので心配になって今日来ました。」
「千頭さんは優しい子だね。」
と継人さんは、笑顔で百合ちゃんを誉めたらしい。
ただ戦闘モードの百合ちゃんにエセ王子の笑顔が通用するはずがなく話を続けた。
「優しい?誤魔化さないで下さいっ!!!正直あなたの元で笑美花がバイトするのが心配だし、反対です。」
継人さんは、怒り心頭の大魔神モードの由美ちゃんの頭を撫でて、こう質問したのだ。
「千頭さんにとって真二ってどんな人?」
真二さんは、百合ちゃんのバイト先の店長で百合ちゃんを通して私を継人さんに紹介した人だ。
「真二さんは優しくて色々面倒見てくれてバイト始めたばっかりの私をいつもフォローしてくれて、良い人だと思います。」
百合ちゃんは、初めてのキャバクラのバイトで解らないことだらけで、しかも彼女がもつCoolビューティな空気のせいなのか解らないが周りの女の子達と上手く打ち解ける事が出来なかったらしい。
そんな百合ちゃんをいつも優しく面倒を見てくれてたのが店長の真二さんなのだ。
だから、百合ちゃんがバイトの話しをするとき必ず真二さんの名前があがっていた。
それは、今でも変わらない。