華奈の時と言い、今回のケイトもしかり。
どうやら私は一旦興味を惹かれると行動に起こすタイプらしい。
その夜、軍の関係者との打ち合わせを早めに切り上げ待ち合わせのBarへと向かった。
戦地とは言え、飲食店も思ったより多く無許可ではあれ軍人の娯楽様に中東では珍しくBarがあった。
待ち合わせのBarに着くと先にケイトは、一杯引っかけていた。
ケイトは少し酔っていて私が来るなりおとぎ話を聞かせる様に、自分の生い立ちについて話してくれた。
少し焼けた肌に、黒い髪と黒い瞳を持つケイトは、一見東アジアの人間に見えるが名前の通り国籍上はアメリカ人になる。
アメリカ人の父と日本人の母親の間に産まれたケイトは、徴兵制により、軍人として戦地に赴いた。
初めて戦争を目にしたケイトは驚愕した。
母国にいた時、彼も彼の周りの者も戦時中とは言え、自分達が戦争を実感する事は少なかった。
目の前に広がる世界は地獄のようだっただろう。
ある時ケイトが参加していた隊の作戦は失敗して仲間は全滅。
自分も深手を負って自分の命も尽きようとしていた時、一人のボランティアスタッフをしていたスペイン人の女性に偶然発見された。
「あの時は、本当に駄目だと思ったよ。俺はあまりにも戦争を知らな過ぎた。」
そう言ってシャツのボタンを開け当時の傷を私に見せた。
彼の胸には三発の銃痕が今も尚、当時のピンチを物語っている。
「けどこいつのおかげで俺は、天使と出逢えた。その天使は、アルマって言ってあの赤ん坊のお母さんって訳。因みにアルマはスペイン語で愛しい人。って意味でさ。まさにピッタリだろ?まっ国際結婚するあたりは親父の血が流れてんだろ。」
銃痕の痛々しさに反して嬉しそうに語った。