キンヤさんがさっき発した言葉がそのまま自分の中にコダマした。そして、継人さんにとって私はどんな存在なんだろ? と考えた。
都合の良いただのバイト?
美咲さんの代役?
急に不安な気持ちに襲われた。
「どうした笑美花ちゃん?」
私は、どうやら考えてる事が顔にストレートに出るのかキンヤさんが心配そうに私を見ている。
「本当。顔色悪いよ!大丈夫か?」
真央さんも私の変化に気づいた。
「えっ?いや…大丈夫です。ただ…」
「ただ…」
「いや、ただ私って継人さんにとってどんな存在なんだろ?って考えてしまって。」
嘘の下手な私は自分の正直な気持ちを二人に伝えた。
「うーん。どんな存在か俺は解らないけど、継人は、いつも笑美花ちゃんの事話す時は優しい表情になるよ。」
そう言って私の頭をキンヤさんは撫でてくれた。
「でもそれは私が美咲さんに似てるからじゃ…」
「違うよ。俺何回か継人にその事話した事あるんだ。その度に継人に怒られてさ。」
「えっ?!」
「笑美花は、笑美花だって。似てるのは認めるけど、勝手に俺達の思い出の美咲と重ねたら笑美花に失礼だろ!ってね。だから美咲ちゃんに似てるからとかは、あんまり気にしないで。」
キンヤさんはそう言って、優しく頭を撫でて私の不安を取り除いてくれた。
「はいっ♪ありがとうございます♪」
自分でも嫌になるぐらい単純な私には、今のキンヤさんの言葉で十分だった。
「あっでも…笑美花ちゃんの事、苦手って言ってたよ。」
キンヤさんは、思い出した様に苦笑いしながら口にした。
「えっ…」
せっかく慰められて元気になった私は、固まった。
そんな私を見て二人は、面白そうに笑っている。
「ははっ恵美花ちゃん気にしない気にしない♪継人は、俺達の事も昔から『暑苦しくてウザイ』とか言ってるから!」
真央さんは、フォローしてるのか小馬鹿にしてるのか解らない言葉を私に投げ掛ける。