「ってクラブ後にしたのは良いけどお前等行く当てあんの?」
相変わらず呑気な二人に尋ねた。
「継人君うちのキンヤ君の情報力を侮ってはいけないよ。」
真央は自分の事の様に誇らしげに話す。
「継人君、貴方が暴れん坊将軍だった間も僕は美咲ちゃんの情報をちゃんと仕入れていたのだよ。」
キンヤはニヤニヤしながら俺を見る。
「解ったから。さっさとその情報を教えろよ。」
キンヤのニヤケ顔と相変わらずの二人の台詞染みた口調がムカついた。
キンヤは、そんな俺をニヤニヤ見ながら自分が調べた情報を俺に話してくれた。
美咲は、S市を離れた後H市のある大学病院に入院して、今尚その病院にいるらしい。
その大学病院は良くTVのNewsや新聞で取り上げられる程大きく、脳や臓器移植の医術は日本でも五指に入るぐらい有名な病院だった。
美咲が患っているのは脳の病気で世界でもまだ発祥例が少ない難病で日本ではその病院でしか治療が出来ない。
「相変わらず凄いなキンヤ。」
俺は後部座席の隣に座る子犬のような友人の情報収集力に関心した。
「ちなみに現在彼氏はいません。」
ムフフとチラリと俺を見るキンヤと目が合う。
「なぁ継人、美咲ちゃんと逢ってどうすんの?」
真央が要らぬ質問を投げ掛けた。
正直今まで押さえ付けてた会いたい気持ちが強すぎてその後の事は考えてなかった。
それに急に会いに行く訳だし美咲の病気の事も今知って自分の中でまだ整理出来てなかった。
「さぁ…」
俺の力ない返事はラジオのキャスターの声にかき消された。
もうすぐ、7月が終わる夏の朝、俺達三人はH市を目指した。
外には太陽が登り、俺の抱える不安等お構い無しに無神経に俺達を照らしていた。