俺は彼女の言葉が恥ずかしくて
「会った事ない男性にデートの誘いなんて危ないよ。」
すました返答をしたが心の中では、凄く嬉しかった。
今まで出会ったどんな美女にささやかれた台詞よりも、今まで周りの大人に貰ったどんな讃辞よりも俺の心を満たしていた。
「確かに…継人君って変態だしね。」
彼女は、俺の注意を嫌味で返す。
「そうそう。女たらしの変態だよ。何も知らない赤ずきんちゃんは美味しく食べちゃうよ。」
彼女の嫌味を介さず冗談を言った。
すると彼女は
「うーん…」
と少し考え込んで、
「確かに会った事ないし、色んな噂を聞くけど、私が今話してる継人君なら一緒に色んなとこ行きたいかな?」
自分の気持ちを俺に伝えた。
俺は、ストレートを要求したのにフォークを投げられた時の捕手の様な気持ちにさせられた。
要は戸惑ったって事かな?。
彼女は、いつも俺の予想を遥かに越えている。それでいて俺の期待を裏切る事は無い。
例えるなら、世に残る名作と言われる物語そのものだ。
1ページを読む事に俺の心を満たし、ページを捲る度に新しい驚きや感動がある。そしてその物語に魅了され新たなページへと興味は注がれる。
そんな名作にも似た彼女に俺が出来る事は、ただ彼女との物語を進める事だけだろう。
そう思い、
「ありがとう。」
彼女の誘いに素直に感謝した。
「いえいえ。楽しみだね♪」
心踊らせながら話す彼女の声は、やっぱり心地良かった。
そして彼女のある質問が俺の心の奥にあるある女性を呼び起こす。