ほんの少し前までは慎は高校生で
あたしは中学生なりたてだったのに。

あたしが高校卒業間近になった途端に
慎は新社会人かよ〜。
ずっと追いかけてるな〜。
越せないかな〜。(越せない)


「れーいー。」
「ぎりぎりだな。おはよ。」
「おはよ」

教室の前でみんなが話してる横を
素通りする当たりがあたしならでは。

────バシッ…

「無視かよ」
「おはようございます(^-^)」

入学前から一緒にいるちーちゃん。
幼なじみのもっと短いやつ。

「ちーちゃん。一人暮らししたくない?」

簡単には出来ないのかなー。
お金どれくらいかかるんだろー。

「アタシはもう少しご飯が出てくる
生活続けたいかも。」

ちーちゃんの真面目な返しに
私も気づかされた。

「自炊やん。」

あー。一人暮らしはまだ先でいいや。