──────…ガチャッ


部屋のドアが開く音が聞こえる。
うるさいヤツが来た合図。

「玲生…。お前はいつもいつも…。」
「…慎……。」

友達みたいな家族。兄貴の慎。

「今日という今日は置いていくからな。
じゃ。」

5つ上の23歳。

「待って!それじゃ遅刻しちゃ…っ」
「知らねぇよ」

────…カチャンッ

くっそ。まじかよ。

高校卒業した慎は免許を取って、
気がついたら車乗ってて。

毎朝学校まで送ってもらってるんだけど。

今日は…間に合わなかった。