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榊原 久遠(さかきばら くおん)は、平々凡々などこにでもいるような顔をした男である。
着太りするタイプなのか、一見ぽっちゃりしてそうな見た目だが、実際は細マッチョである。
平凡な久遠だが、中身は非凡であった。
頭脳、運動神経共に人間離れしている(磨生談)
どんな時でも冷静であり、しかして苦労人である。
この世に生まれた瞬間から久遠は、将来、五皇財閥(ごこうざいばつ)の一つ、始末屋、最上家に仕える従者となることが決まっていた。
(五皇財閥とは、日本を代表する、世界でも有名な五つの財閥のことである)
久遠の二年先に生まれた最上 磨生に仕えることが、決定していた。
そのため、幼少期からずっと兄弟のように育ってきた二人は、いつしか時期当主とその秘書という肩書きをもらっていた。
久遠は最上磨生の右腕として、五皇財閥らにも認識されている。
閑話休題。
そんな久遠は、始末屋として一つの依頼をこなしていた。
依頼内容は、『5月という季節外れに私立和聖学園に転校してきた転校生が、学園を壊そうとしている。学園に平和が訪れるよう、直ちに転校生を始末せよ』という内容だった。
その依頼書を正式に受理したのは、その代の生徒会が倒れたという知らせを受けた、12月上旬のことだった。
和聖学園では、3年生は受験に集中してもらうため、5月の新入生歓迎会が終わり次第、2年生に引き継ぐというやり方だ。
なので、その倒れた生徒会は2年。
これからが大切な時期になってくるというのに、とうとう倒れてしまったという。
原因は、睡眠不足と疲労。
その転校生の仕業だった。