『深黒 寧(みくろ ねい)。磨生さんのお父様……大旦那様の妹の息子さんですよね。
俺と同い年の。……ああ。磨生さんの従兄弟か。どんな子なんです?』
「……うーん。知っといたほうがいいよねぇ」
『?』
「寧なんだけどね、口悪いっていうか……毒舌というか、もうあれは毒だよ毒。おまけに足ぐせも悪いから、すぐ蹴る」
『……あの天使のような見かけから?』
「見た目で判断できないって本当なんだなーって思うからねマジで」
『……ガンバリマス。いつから配属ですか?』
「あと二週間くらいで夏休みだよね?
二学期の初めから行かせるねー。
久遠一人部屋だけど、そこに寧入れるから、仲良くしてねー」
『……ハイ』
暫くして切れた電話に、磨生は思った以上に荒れているなぁ、と溜め息をつく。
「久遠、早く睡眠を取れればいいけど……」
以前、2日間寝不足でついに理性が切れた相棒が部下に襲いかかった(殴る蹴るなどですね)ことを思いだしながら、祈った。
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