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「久遠でも対処できないんだねぇ」
安楽椅子に深く腰かけた最上 磨生(もがみ まう)は、まだ学生という若さで自分の右腕として活躍している、今は調査中の相棒の報告に、少し驚く。
スマートフォンを取り出すと、電話帳のさ行からお目当ての人物の探し出すと、タップした。
3回目のコールの途中で、彼はでた。
『……はい』
「僕だけどー。久遠、緊急報告書みたけど、君じゃ対処できないの?」
『…はい。俺は今“栄枝 玖音”の平々凡々な男ですから』
「あーそうだったね。……会長はどうして未遂ですんだの?」
『俺が風紀に連絡しました。監視カメラ見てたんで』
「そう。で? 今、生徒会はどうなの?」
『カオスですね。風紀が手伝ってますが、風紀は風紀で見回りとかで忙しいので。
……特に、転校生がいる今、風紀も生徒会と同様、忙しいと思います』
「これからどうするつもりだって?」
『さあ? やめるんじゃないですか? 会長と副会長は。誰も止めないと思いますしね。
でもまあ、やめてもらっては困るんで、
松井(まつい)を使ってもいいですか?』
「ああ。いいよ。時雨(しぐれ)くんも使えば?」
『……あー。あいつ今、謹慎中なんですよ。なんでも、正当防衛を盾に、自分を襲ってきたやつらを病院送りにしたらしくて。
過剰な正当防衛の為、だったと思います』
「ええー。なにやってるのあの子はー」
『さあー?
取り敢えず、万音(まね)─ああ時雨の親衛隊隊長にも松井と生徒会を手伝ってほしいと頼んでおきますねー。理由は、前会長に補佐に推薦された為でいいですか? いいですよね?』
「いいよ。……もしかして久遠、寝不足?」
段々早口になり、面倒くさいオーラが電話口から湧き出てくるのを感じた磨生は久遠に問う。
『……わかりました?』
「当たり前。何年間一緒にいると思ってんの」
『あーそうですねーお見通しですねーあーねむいですー』
「寝れないの?」
『眠れない、んです。
他の人が寝る間も惜しまず仕事してんのに、状況を知っていて、尚且(なおかつ)、学園を救うことを任務に出ている俺がのうのうと寝れるわけないじゃないですか。祟られますよ』
「そーだね。じゃあ、増援に、寧(ねい)を送るね。会ったことないよね?」
『名前だけは知ってます』



