甘味と苦味のキャラメルマキアート

ノンフィクション・実話

マルボロ太郎/著
甘味と苦味のキャラメルマキアート
作品番号
1321209
最終更新
2017/01/28
総文字数
4,359
ページ数
1ページ
ステータス
未完結
PV数
63
いいね数
0

第一話「××なマキアート」

この話しは初秋の季節の物語。
ドライブスルーのメニュー画面の通話口から「ご注文はお決まりですか?」
と明るめな女性の声。
「キャラメルマキアートのアイスをグランデで」
受け渡し窓口に車を進め、1コインを財布から出して店員に渡す。お釣りを小銭入れにしまった。
最近近所にオープンしたこのお店に連日のように通っている。
オープンして間もないせいか店員の所作が覚束なくみえるのは気のせいだろうかと名札をチェックする。
今日は小山さんではなかった。
小山さんは大学生で近くの県立大学に通っている。
まだこれくらいの情報しかしらない。
「お待たせしました。」と少しぽっちゃりしたその店員はマニュアル通り左の手の平を底にあてがいキャラメルマキアートを僕に差し出す。
20代前半とおぼしき新顔の女性は笑顔をくれた。笑顔込みの価格設定らしい。
僕はカップホルダーにしまい窓を閉めた。行ってらっしゃいませと窓越しに聞き車のサイドブレーキを下ろした。
シーズンオフで先日安く購入したクールビズの半袖ワイシャツだと少し肌寒い、夏が終わり秋がもうきていた。
それにしても少し眠い。
昨日読みかけの小説を読んで寝不足したせいだ。
それでもキャラメルマキアートを飲むと目が覚める位甘い。
全国展開しているこの店のキャラメルマキアートは僕の一番のお気に入りだ。
これが朝食のかわりに最近ではなっている。
通勤前に立ち寄るドライブスルーで飲むキャラメルマキアート。
車を走らせながらコーヒーを飲む。
そしてタバコに火をつける。
これがタバコに合って実にうまい。
タバコのためにコーヒーを飲むのか、コーヒーの為にタバコを吸っているのか、少し哲学めいたことを考える。
そして別れた彼女とのことを最終的には考え始める。
彼女はどうしているのだろう。
少し感傷的になるのは季節のせいかもしれない。
もう彼女は僕の腕に戻ることはない。
もう別の誰かと愛を誓ったのだから。

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