さくら色した君が好き

ちょっと早いけど出かけようかと思っていたら

二階からパジャマ姿で胡桃が降りてきて
「紅葉は行っちゃダメ!」って叫ぶ。

やっぱり止められた。

「ごめんね胡桃。どうしても行きたいんだ」

どうしても
絶対行きたいんだ。
山村君と一緒に行きたいんだよ私。

「紅葉は私よりライブがいいの?山村君がいいの?」

「胡桃……」

「あんなうるさい音楽のどこがいいの?」

「うるさくないもん」

Catch Looksをけなされると泣きたくなる私。

「紅葉は行っちゃダメ!一生のお願いだから行かないで!」
大きな声を出す胡桃から大きな咳がいっぱい出た。
苦しそうな咳をいっぱい出して
細い身体が折れそうなくらい身体を曲げる。

精一杯走る事も許されず
いつも
熱と咳に悩まされ

行きたい場所も行けないし
病院通いばかりしている女の子。

私の妹。
生まれた時からずっと一緒の妹。

「行くなら、私の健康を返してよ!紅葉が吸い取った私の元気を返してよ!」

咳き込みながら胡桃がそう言うと心が揺らぐ

やっぱり私
行かない方がいいのかな……って。

すると


「やめなさい!」って大きな声が家の中で広がった。