さくら色した君が好き

金曜の夜

熱は下がった胡桃。
でもあれから
一言も話しをしていない。
夜行バスの停留所は
ここから車で15分ほど行った場所。
夜の11時出発。

今日はお父さんは車を置いていったので
お母さんが停留所まで送ってくれる予定になっている。

胡桃の機嫌は最悪だった。
ご飯も食べてくれないし。
家族の誰とも口をきかない。

「用意できた?」

お母さんに言われてうなずく。
お母さんもいい顔してない。
お母さんには正直に、胡桃が好きだった男の子とライブに一緒に行く話をした。

反応はなかった。
怒ってるかな。

お母さんは胡桃が心配でずっと胡桃の味方だもん。
私より胡桃が大事かもしれない。

でも今回は
逆の立場になると、どうだろう。

自分の好きな相手が、双子の姉と一緒にライブに行く。
自分は身体が弱いから
夜行バスとかライブハウスには行けない。
でも姉は行く。

嫌だろうな。
逃げるように家を出よう。
帰ってきたら
もう一度 あやまろう。