でも
どうやって話を持って行こうかって考えると
山村君は「さっきもらった」ってパーカーのポケットから缶コーヒーを出してくれた。
わぁ嬉しい。
「ドラちゃんのポケットみたい」
「ちゃらららっちゃら~。リンゴもあるよぅ~」
似てないドラちゃんモノマネをして
山村君は反対のポケットからリンゴを出してくれた。
ウケる。
笑ってリンゴも手にすると
「怖い顔が崩れた」って笑ってくれた。
うちのお父さんみたいな優しい笑顔だった。
「加藤さぁ」
「うん」
「バスケもうやんないの?」
「なんで?」
背の高い山村君を見上げると
山村君は真剣な顔をしていた。
目が澄んでて綺麗だなぁ。
「去年の球技大会。お前バスケで活躍してたからさ、上手いなぁって思ってた」
見てたの?恥ずかしっ。
「中学んときバスケやってたって?」
「うん」
「またやれば?」
「うーん……うんうん」
変な話の流れになって
私は缶コーヒーのプルタブを開ける。
飲んだ事のない超ブラックだった。



