さくら色した君が好き


緑ヶ丘公園に行くと
都会ではもう散ってしまった桜が満開で
綺麗な景色が広がっていた……って言いたいけど

長い冬から解放されて
やっと春がやってきた解放感が嬉しくて
公園ではブルーシートがひかれて、ジンギスカンの香りが漂う。

春だけど思ったより気温が伸びない。
寒いし。
みんなフリース着て花見してるし。

近所のおじさんの『ちょっと食べて行け』モードを振り払い、私はチャリを自転車置き場に置いて公園の奥へと進んで行く。

奥には大きな桜の樹。
ここは飲み食い禁止区域。
遊具も遠くにあるから子供の姿もない。
たまにスケッチの人が来るような、静かな場所。

大きな桜の樹の下に山村君が立っていた。
吹奏楽で使ってるトロンボーンのマウスピースを手にして、遠くを見ながら立ってる姿はカッコいい。

カッコいいって思うって事は
きっと私は惚れている。

ジーンズに黒いパーカー。
背の高い山村君。
黒のパーカーに桜の花びらが落ちて、色合いが綺麗だった。

「ごめんね。呼び出して」
駆けつけて頭を下げる。

こうやって
ツーショットで学校外で会うのは初めて。
ドキドキするけど
それは
これから話す内容を考えると悲しいドキドキ。

絶対怒られそう。