しばらくの沈黙のあとに

七夏が口を開いた。


七夏「...あのね。私ね、波矢人に告白された時...ホントは波矢人のことあんまり知らなかったし、好きじゃなかった。」


分かってたんだけど...改めて言われると傷つくな...

七夏「でも、付き合い始めて、デートして、一緒に過ごして...楽しくて、そばにいたいって思った。きっと、その時から恋してたんだと思う。波矢人に。でも、波矢人が浮気し始めた頃...私、ほんとに苦しかった。誰にも言えなかった。自分が惨めすぎて...だからね。隠した。苦しい感情と辛い感情を...憎しみって感情に。そして、傷つけられた代償に...気にしてないよって、あなたなんか...興味無いからって思って...傷つけようってね。ね?最低でしょ?呆れたでしょ?」






波矢人「...いや。呆れたりなんかしない。最低なのは俺なんだよ。七夏をそんなふうに思わせた...俺が悪いんだ。」


七夏「違うっ!!ほんとは!!ほんとは...!...ほんとはまだ好きだよ...でも、私...最低だし...っ 」


そんなことっ...そういおうとした時

パシッ...と音がした。