「よしにゃん!」


後ろから声が聞こえたので「よしにゃん」では無いが、驚きのあまり振り向いてしまった。

名前を呼んだであろう人と目が合う。
とてもイケメンな男の人。

私の事では無いのでもちろん目を反らしたいのだが、彼の目は私をがっつりと見ている。



あれ…なんでこんなに見られてんの...?

不思議に思いながらも目を反らす。
そして振り返り、何事も無かったかのように歩き出した。


「…よ、よしにゃん!!!」


彼はもう一度あの名前を呼んでいる。
周りには私と彼しかいない。

私を誰かと間違えているのかもしれない。

よしにゃんって誰~・・・。
顔も見たのにそれでも呼ぶって。

相当顔にてるのかな?

こんな平凡な顔どこにでもいるから
そりゃ間違えるか。

なんか失礼な気もするけど…。
いや、私が勝手に自分の顔平凡って言っただけだ。


うわー、なにこれ。悲しい。