翌日、わたしは死んだ魚のような目で学校に向かった。
「おはようございます……中神先生」
職員室に入ると、花村先生が挨拶をしてきた。
わたしは顔を合わせ辛く、目を逸らして席に着いた。
それから一週間、わたしは花村先生と会話は疎か、目を合わせることもなかった。
「お母さん…疲れてる。
辛そうな顔してるよ」
叶太に言われ、鏡を見ると
わたしの顔は幽霊のように暗かった。
「そうね…疲れてるかもね……」
暫らく鏡の中の自分と睨めっこしていると
呼び鈴が鳴った。
「はい……」
玄関の戸を開けると、同じ顔をした可愛らしい男の子が二人並んでいた。
「えっと…あの…」
「俺、市太(イチタ)だ」
「僕は双馬(フタバ)です」
…花村先生の子供だ。
「沙世のことで謝りにきたんだ」
「お姉さんには、失礼なことをしました。
沙世も謝りに来ています」
そう言った双馬くんの後ろから
沙世ちゃんが現れた。
「お姉さん、この前は…ごめんなさい。
ホントはお父さん、もうお母さんのこと好きじゃないの。
なのに嘘ついて、ごめんなさい」


