星月夜


「あなたのおかげで幸せです。命を司る神様」

「感謝は望まない。これからも大切な人と幸せにな」

 ミコトさんはこっちを向くことなく、窓に溶け込むように姿を消した。

「今日は星がたくさん出てる」

 星月夜が底抜けに綺麗だった。


 翌日、高校時代の友達が仕事先のバーまで演奏を聴きに来てくれた。秀星をはじめ知輝や美羽もいた。

 開店前、指鳴らしのために軽くピアノを触っていると知輝が来た。普通お客さんは開店後にしか入れないけど、知輝は店長のイトコということで特別に入店を許可されたらしい。

「結局タイムスリップの謎は分からないままだね」

「それが、昨日やっと分かったよ。部屋で神様に会った。その人が力使ってくれたっぽい」

「本当!? 神ってやっぱりいるんだ!」

 知輝は目を輝かせた。

「今まで秘密守ってくれてありがとね。知輝に話してよかった」

「当然でしょ。俺達変態同盟結んだ仲だし」

「そんなもの結んだ覚えはない」

「あれ、冷たいね」

「いたって普通だよ」

 いつものように冗談を言い合っていると、一人の男性が店の扉を開けた。彼の顔を見て心臓が飛び跳ねた。