星月夜



 ーーーーーー。
 ーーーー。


『ごめんね。あんなことホントは思ってないから! これからもピアノや音楽の勉強がんばってね!』

 夢の中で、私は秀星に謝った。

『あの時はひどいこと言って本当にごめん!!』

 必死に頭を下げる私に、秀星は優しい笑みを見せ、

 俺も月海と気まずいままは嫌だと思ってた。卒業後の進路は別になるけど、これからもよろしくな。

 そう言ってくれた。

 よかった。許してくれた。

 よかった。これで私達が絶縁することはない。


 ーーーー。

 ーーー。


 それは都合のいい妄想。

 翌朝、現実を思い知る。


 音楽に触れた日、夜空を見上げた日、必ずといっていいほど秀星の夢を見る。

 その舞台は必ず卒業式の当日。

 ケンカ別れしたことの後悔が色濃く反映されている。

 この夢を見た日は夜まで胸の痛みを引きずってしまう。悲しくてはかない願い。


《リアルな夢を見た。今もまだその感覚が残ってる。昨日映画観たからかな?》

 数年前から習慣になったツイッターに気持ちを綴り、投稿する。

 本名のアカウントで、リア友が何人かフォローしてくれている。

《感受性強いね、月海は》

 さっそくリプライ。

 音楽科でもっとも仲良くしていた女友達、美羽(みう)からだ。