「だからね、蓮の笑った顔みたのあんただけなんだよ。凄いよね。」


母は笑いながら蓮と私の思い出を
お酒と共に語った。


蓮という子が居たことは知っていた。


でもこんな悲しい話を大人は持ち出さない。


母から初めて聞く事実に驚いた。


ただ涙を堪えて笑顔をつくり、

「そんな事あったんだね。」

その言葉しか出てこなかった。