「華成!」
「そっか、1限から移動か面倒だな。」
声をかけてくれたのは望月芽吏。
そして、あと一人仲いいのが浜野星楽だ。
芽吏は前髪ぱっつんでポニーテールだ。
星楽は前髪が斜めに切ってあってショートヘア。
二人とも可愛いんだよね。
私は眉上の前髪でショートヘアなんだよね。
廊下を歩いていると
「おはようございます」
後輩からの挨拶が聞こえる。
この感覚、中学の頃を思い出す。
私も先輩には挨拶しなければならない。
でも、1軍の先輩だけでいい。
それがバレー部のルールだ。
これは一年生でも変わりない。
「おはようございます!!!」
やたらと、大きな声の挨拶だな。
振り返ると水城くんだった。
私は笑顔で「おはよう」と返した。
「そういえば華成って好きな人いないの?」
また、恋話か。
星楽は恋話が好きだな。
毎日のように聞かれてる気がする。
「いないよ?」
「またまたぁー、」
芽吏が話に乗ってくる。
「さっきの子は?」
「1軍の後輩だよ?」
「うっそだぁ!」
星楽に言われる。
私はそんなにすぐに人を好きになりません!
「ホントだよ!」
時計を見るとあと3分で授業が始まる。
「急げ!」
私達は走って教室に向かった。
その授業はギリギリ間に合った。