青春ミルフィーユ

「先輩は、自主練しないんですか?」
「今日は水城くんの慰め係。私の教育系の先輩も私を慰めてくれたから。」
私も1人地獄が終わった直後抜け殻のようになっていた。
そんななか、私の教育系の先輩は一生懸命慰めてくれた。
おかげで、その日のうちに立ち直ることができた。
本当、先輩に感謝だよ。
「そうなんですか・・・。」
慰めるっていうか、立ち直させるって感じ。
「俺、絶対強くなって、チームに役に立つ選手になりたいです。」
「バレーは個人技じゃないからね。セッターとも合わせとかないと」
「そうですね。」
水城くん、インターハイまでに間に合うといいね。
水城くんならまにあうよ。
私はそう信じてるよ。
「やっぱり、中学とは全然違いますね。」
「私も最初は慣れなかったよ。」
「先輩もですか?」
「うん、なかなか男女合同練習なんてしないじゃん。」
こんな環境にすぐ慣れろなんて言う方が無理だ。
水城くんは再びビタミンドリンクを飲んだ。
「なんで、『ビタミン』の方なんですか?」
スポーツドリンクは常に用意されていて、
普通のドリンクが無かった訳ではない。
「疲れた時にはビタミン、摂取しなきゃいけないでしょ?」
別に適当に持ってきたわけじゃない。
ちゃんと、理由はある。
私も1人地獄の後は『ビタミンドリンク』をもらった。
そういうとこは受け継いでいきたいと私は思う。
先輩のいいところを受け継いでこその後輩だから。
「もう少し、休んたら帰りますね。」
「電車通学?なら、駅まで送るよ。」
「大丈夫ですよ。」
「こういう時くらい、先輩に甘えなさい。」
私がそう言うと水城くんは笑いながら「ありがとうございます」と言った。
水城くんは大きな声で「お疲れ様でした。」と言って体育館を出た。
私はキャプテンに『水城くんを送ってくる』と言って体育館を出た。
「ありがとうございます、こんなことで」
「気にしないでいいよ」
水城くんの歩幅は私より広くて、やっぱり男子なんだって実感した。
水城くんは私より背が高い。
私は、174cmだけど水城くんはたぶん180cm後半だろう。
バレーやってないとこの高さの人には中々出くわさない。
駅までは徒歩5分。もう、目の前だ。
「先輩って好きな人とかいるんですか?」
いきなりの質問で驚きを隠せなかった。
まさか、後輩からそんなこと聞かれるなんて思って見なかった。
「別にいないけど?」
本当に好きな人はいないけど少し答えるのにドキドキした。
「じゃあ、先輩のこと好きになってもいいですか?」
「え?」
「ここまで、送ってくれてありがとうございました。では!」
そう言って水城くんは駅へ駆け込んでいった。